兵庫県朝来市特産 岩津ねぎ

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「日本のマチュピチュ」「天空の城」で近年話題を集めた竹田城址の麓に広がる兵庫県・朝来市。
冬の寒暖の差と、積雪量が絶妙なこの地で、江戸時代から独自の改良を重ね生産されている岩津ねぎは、日本三大葱の中でも青葉・白 茎とも美味と謳われ、生産量が少ないことから「幻のねぎ」とまで呼ばれています。

岩津ねぎの産地

岩津ねぎの産地である朝来地方は但馬(兵庫県北部)の南端に位置する中国山地にあります。
一帯を流れる円山川は「水の世界遺産」と称されるラムサール条約に登録され、今も多くの水鳥が訪れます。
地理は周囲を山に囲まれた山間部で、この地理的条件が日本海側の気候と内陸性の気候を同時に成立させており、古来より寒暖の差が大きい豪雪地帯として知られています。

岩津ねぎは京都の九条ねぎと関東の千住ねぎの交配種ですが、青葉から白根まで甘みがあって柔らかく、長ネギでは珍しく青葉・白根ともにおいしく食べられることが特徴です。
葱は冬の寒暖の差が大きいほど旨味が増すといわれており、朝来の気候は葱の栽培に最適な条件を整えています。また朝来の雪は水分が少なく軽いため畑に積もってもネギが折れにくく、この点も青葉ごと出荷する岩津ねぎにとって最適な条件といえます。

岩津ねぎの歴史

岩津ねぎの歴史は古く、『朝来誌』(明治36年)によると、生野銀山が栄えた江戸時代後期の享和3年(1803年)頃、鉱山労働者の冬季 野菜として銀山奉行の役人が京都の九条ねぎを持ち帰り栽培させたのが始まりと伝えられています。
それまでの岩津ねぎは柔らかすぎ て日持ちが悪く、見た目と風味が落ちる「分けつ」しやすい性質であったため、昭和の初めに関東の千住ねぎと交雑育種しました。 その後も品種改良が進められ、現在の品質に至っています。

昭和21年(1946年)、農家を中心に「岩津葱出荷組合」が設立されて以降は農家の方が中心となって販路を開拓し、特産品としてブランド化する努力を行なってきました。
まだインターネットのなかった時代、岩津ねぎの人気は口コミなどから少しずつ広がりました。しかし人気が出始めるとともに品質管理の問題や偽物を売りつける業者が現れたため、平成初期までの岩津ねぎにはブランドを守るため「赤札」と呼ばれる表示札を一束ごとに付けるルールが設けられました。
現在では2003年に発足した朝来町岩津ねぎ生産組合(現・朝来市岩津ねぎ生産組合)が“岩津ねぎ”の名を商標登録し品質の管理に努めています。

岩津ねぎの1年~栽培から出荷まで~

岩津ねぎは青葉・白茎ともに美味であるため葉を切らず出荷されます。
そのため種から芽吹いた瞬間から、葉を傷めず育てることに最大限の注意を払います。

岩津ねぎはチェーンポットで発芽させた苗を5月上旬頃畑に定植します。
そこから冬の収穫期まで、作物の間に生えた雑草を間引く作業を行ないます。
「草引き」と呼ばれるこの作業は、岩津ねぎの葉を傷めないようピンセットで丁寧に行うため、大変手間と時間がかかる作業となります。

夏になると、小指ほどの大きさしかなかった岩津ねぎの若葉は大きく成長します。
この時期は湿気と暑さによる病気を防ぐことと、夏の台風で葉を折られないよう気をつけることに最も神経と労力を注ぎます。
草引きも雑草の成長が最も早いため重労働となり、夏場は1年の中でもとくに作業の大変な時期でもあります。

岩津ねぎの作業は、収穫期の冬にクライマックスを迎えます。
朝来の厳しい冬の気候は岩津ねぎの旨味を最大限に引き出してくれますが、同時に葉を折ったり、ネギそのものを駄目にする厳しさも孕んでいます。そのためこの時期の生産者は、岩津ねぎをまるで赤子のように丁寧に扱います。
雪よけネットはその最たるものです。
元来朝来に降る雪は軽く、ネギへの負担が比較的少ないと言われますが、少しでも良い状態のネギをお届けしたい想いからひと畝ごとに丁寧にネットを設営し、岩津ねぎを雪の脅威から守ります。

こうして無事に育った岩津ねぎは、収穫から出荷の際も独特の作業が行われます。

まずは根切り。
岩津ねぎは葉や茎をほぼそのままの状態で出荷するため、根も1本1本手作業で茎を傷めないよう切ります。

次にクリーニング。
収穫直後は泥と古皮にまみれた岩津ねぎですが、ひと皮むけばみずみずしい白と緑が現れます。

この時、剥き過ぎると岩津ねぎの青葉そのものが損なわれるため、作業の際は艶のある白茎を出す事と、青葉を残すバランスに注意を払います。

青葉は三本残した状態が理想ですが、葉の状態も含め最高の状態で仕上がる岩津ねぎは数十本に一本といわれます。
またこの作業の際に白茎が遺伝によって切り株状に分かれている「分けつ」がないかどうかも見分けます。分けつの見極めには経験が必要で、その作業の様子はまるで熟練の職人の仕事さながらです。
これらの厳しいチェックをクリアした岩津だけが出荷を許されるのです。

収穫時の姿をほぼそのままに残す岩津ねぎは約80~100センチと他のネギよりも長い状態で梱包されます。
そのため箱に入れる際も葉をできるだけ折らないよう特注サイズの箱にそっと、赤子を扱うよう丁寧に納めます。

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